2013年06月

スプリング関係の交換

ガボースプリング関係 001
ここのところガボーの記事ばかりですが、今日やっとアクションも組み立て、鍵盤を入れて音出しと第1回目の調律をしました。音は予想通りまろやかな良い音ですが、アクションの動きが全くそれについていっていません。
やはり今までは気にならなかった部分が、弦を新しくし、弦圧もいい感じになったので、どうも違和感を感じます。まずスプリング関係をすべて新しく交換して引き締まったアクションをめざします。
ガボースプリング関係 002
ダンパーのスプリング。低音側は0.9㎜。だんだん細くなって高音側は0.75㎜。
ガボースプリング関係 003
弾力が全然違います
ガボースプリング関係 005
交換し終えました。これをダンパーのかかっているところ68個交換します。
ガボースプリング関係 006
あと、ジャックスプリングもだいぶ金属疲労。
ガボースプリング関係 007
古いスプリングを取り去り、ニカワもきれいに掃除。
ガボースプリング関係 008
新しいスプリング。力があります。
これは88か所、交換。地味な仕事です。

レスロー弦の張りこみ

ガボー弦張り完了 004
ピン板も修理し、弦圧もきれいに出るようになり、折れたフレームボルトも付け替え、いよいよ弦を張り始めました。使用弦はドイツのレスロー社製。番手13半からはじめて丁度18のところ。17半が直径1.000㎜です。
ガボー弦張り完了 006
浜松の業者に注文しておいた巻線、気持ちよく張っていきます。前に張ってあった現物を送って、全く同じのを作ってもらっていますので、きれい揃います。
ガボー弦張り完了 008
全部張り終えました。このあとは弦の間隔をなおしたり、コイルメーキングといって、チューニングピンに巻きつけた弦をきれいに揃えていきます。
ガボー弦張り完了 002
アクションがまだ出来ていないので、フェルト・クロスの準備も同時進行。
使う部品も、メーカーや器種によって微妙に寸法が違うので、このように一つずつ作ります。
この部品の場合は15mm×8mm。いくつものサイズ用に治具がいろいろ作ってあります。
ピアノ修理の場合、治具作りも楽しい作業で、修理し出して途中、治具を作るのに熱中してその日はほとんど治具を作っていた・・・というのはしょっちゅうです。

駒圧がでない

ガボー駒圧 002
弦を張り始めましたが、なんかおかしい。
駒圧(弦圧)が出てない。
一応フレームを降ろした時に駒圧が出るように、削ったりはしておいた筈なのに、ほとんど弦圧がない。
ガボー駒圧 003
再度糸で測ってみる。
やっぱり、ゼロかマイナス。
ガボー駒圧 004
黒鉛が塗ってあるところが「駒」。この部分がほんの少し上にないと、弦の振動が駒を伝わって響板にいきません。ほんのわずかヒッチピン側が浮いている。
ガボー駒圧 005
他のところも仔細に見てみると、同じように手前だけに弦の跡がついている。これは完全に駒圧不足。駒にはピンが打ってあって、ここで弦を屈折させているので、どうやらそれだけで振動を伝えていた感じ。
ガボー駒圧 001
せっかくピンも高さを揃えて打ち込みましたが、フレームを再度降ろすため、ピンも230本すべて抜きます。
このあとフレームボルトが2本途中で折れ、今日は半日大工仕事になりました。
つくづくピアノ修理は木工技術がないと出来ないなあと思いました。
夜になって、ようやくすべてうまくいき、駒圧もきれいに出ました。
チューニングピンを再度打ち込んで、明日から弦張りに再度挑戦です。

弦を張る準備

ガボー弦張り 001
ピン板の修理も済ませ、塗装したフレームを元の位置に戻します。
ガボー弦張り 002
錆びたポルトもきれいに磨いて、全体のバランスを考えながら、各ボルトを締めていきます。
ガボー弦張り 004
次にチューニングピンを打ち込む穴に厚さ9㎜~11㎜の、かえで材で出来たピンブッシュをうちこみ、今回は7㎜の穴をあけました。7.35㎜のピンを1本うちこんでみましたが、ぴったりです。
ガボー弦張り 005

弦を張る準備として、チューニングピンをすべて鉄骨フレーム上面から28㎜の高さにし、弦を通す穴を正面にして揃えます。明日からいよいよ弦張りです。

ガボーの塗装

ガボー塗装 003
全体に小傷が多く、サンディングシーラーでそこそこ埋める作戦でしたが、あまり成果がでず、大きな傷はパテ埋めをし、無数の小さな傷は目をつむることに。
ガボー塗装 001
各パーツです。鍵盤の横にある拍子木。腕木。鍵盤押さえ。口棒。
今でしか塗装ができません。
ガボー塗装 002
脚の部分。
このほかに、鍵盤の蓋や、上前パネル・下前パネル等がありますが、結構修理箇所が多く、まず傷や割れを直してから、明日以降第2弾で塗装です。
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