2013年07月

張弦開始

イースタイン 001
イースタイン 002
もともと入っていたピンが6.9㎜。新しく打ち込むピンを7.10㎜に少し太めにするためピンブッシュの穴は6.8㎜に。1本の弦は約80㎏で引っ張られ、ピン板と鉄骨フレームとピンブッシュでそれを保持し、微妙な音程の上げ下げという働きをしていきます。そのため、ここの精度とすべての加工が均等でないと、あとが大変困ります。
イースタイン 003
新しいチューニングピンを打ち込んでいきます。
弦の張り方も2通りあり、先にピンに弦を巻きつけてからピンを打ち込んでいく方法と、とりあえず全部ピンを打ち込んでから弦を張っていき方法。
私はいつも後者の方法でやっています。
イースタイン 006
高音セクションから順調に張り始めました。ピン味もいい感じです。

アクション修理

イースタイン 002
よーく見ると本体ケースの突板はがれ。徹底して直すとなると、大ごとに。まだ部分部分のはがれのようなので、接着剤を注入してクランプで止めました。それにしても奇妙な支柱です。
イースタイン 010
まだ巻線もハンマーも届いていないので、その間アクションの分解です。
イースタイン 011
やはりありました。ジャックという部品の動きが固い。スプリングで引っ張られていると分かりずらいのですが、はずしてジャックを動かすと手にかなり抵抗が。ここの動きが悪いと連打が効きません。1台(88か所)のうち30か所ほどが要修理。
どんどんと修理箇所が増えていきます。というか修理箇所はないかどうかという目線で分解していきます。このあたりを徹底しておくと後がうーんと楽になります。

フレームと本体の塗装

イースタイン 001
なんとかフレームも無事におろし、錆落としをし、ベアリングも磨き、油分もきれいに落として金粉塗装をしました。きれいにゴールドがのりました。
イースタイン 002
本体も結構傷があり、パテ埋めしてシーラーで下塗りをし黒のウレタンを吹き付けました。
脚をはずし、ピアノが横向きになっています。
イースタイン 003
グランドピアノの場合、脚は3脚。これも今のうちに塗装をと思ったのですが、細かい傷が無数に。
やはり手間でもシーラーで下処理をしてから、明日黒塗装の予定。
このほか白鍵のはがしもしましたが、写真を撮り忘れました。結構大変な作業だったのに。

イースタインピアノが入荷

eastein 013
イースタインというピアノの修理依頼。
昭和42年製のピアノです。関西ではあまりなじみのないピアノですが、関東ではファンも多く、オーバーホールをして生き残っていくといいのですが、だんだんと数も減り、今や幻のピアノ的な存在。
たまたまあるコミュニティーセンターでコンサート等に使われていましたが、状態が悪く、調律師もお手上げということで、我が工房に入ってきました。
イースタイン 020
Eastein TOKYO PIANO KOGYOのマーク。
見たところ響板割れはありませんが、ざっと調律してみると、チューニングピンがだいぶ緩い。これはひょっとしてピン板割れか。とにかく弦をはずして、鉄骨フレームをおろし、仔細に調べる必要が。
イースタイン 084
弦もすべてはずし、チューニングピンもすべて取り去り、ここまでは順調でしたが、フレームボルトが全く動きません。熱で温めたり、特別に作ったドライバーでアタックしたりいろいろ悪戦苦闘しましたが、結局ネジの頭を飛ばし、フレームを強制的にはずすことに。
イースタイン 094
他にも数か所途中でネジが切れたり。相当錆で腐っています。
長さが100㎜ほどもあるばかでかいネジなので、これを取り出すのがまた一苦労。
そんなこんなで一日が過ぎていきます。

待望のガボーの納品

ガボー納品 005
ガボーの納品に神戸芦屋まで行ってきました。
山手の高級住宅街で、Iさんのお家も素晴らしい邸宅でした。わが工房にあったピアノとは思えないほどガボーも何か活き活きとしているように感じます。今回ほとんどのフェルト・クロス、スプリングを替え、おまけに弦もドイツ製の弦に総張替えしたので、弾けば弾くほど狂いが出てくると思います。短期間に何回も調律・調整でお邪魔すると思いますがIさん、なにとぞよろしく。どんどん良くなっていくと思います。
この写真、運搬のため家具があっち行ったりこっち行ったりの状態。はじめはきれいにしてあったのに
すみません。
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