ガボーピアノも最終コーナー。調整しては戻し、また調整の繰り返し。いろいろ不具合も出て来ます。調整する箇所のネジが錆で折れたり、雑音がしたり等々もあり、一筋縄ではいきません。
それでもとりあえず完成形にしてみると、案外とずっしり重厚な感じです。
音は少し高めのA=445のピッチで調律しています。
弦が新しいのですぐ狂います。ほぼ毎日調律して丁度の感じですが、だんだんと落ち着いてきています。古いだけにほうぼうで木のゆがみがあり、それがいろんなとことに影響をしていました。躯体のゆがみを変えるというのは基本的に出来ないので調整でそれに合わせていく作業をしましたが、勉強になりました。あと残るのは鍵盤の重さです。
普通右のダンパーペダルを踏んでダンパーの荷重を0にしてから鍵盤の手前に重りを置いて52~3グラムで鍵盤が沈むというのが基準です。このピアノの場合65㌘ほどあります。昔のピアノは大体が重かったのですが、音大生等が練習用にということでそこそこ重い鍵盤を希望されたという事情もありました。弾く方に一度触ってもらってから判断します。
軽くする場合は鍵盤の手前に穴を開けて重りをいれて下がる重さが52~3㌘、押さえた鍵盤が上がる重さが22㌘くらいに調整していきます。
まずは6日に納めるまで調律と調整それに音作りの繰り返しです。