2016年05月

でたらめな修理

永野先生、岡村さんK20,苗村さん完成 002
カワイのK20という、相当古いピアノの修理の依頼です。
まず、低音の弦が1か所切れていました。断線修理ですが、修理に来た調律の方は、直りませんと言って帰ってしまったみたいです。
他にも修理箇所が満載で、ハンマーははがれて、中にはそのハンマーフェルトすらないのがあります。
永野先生、岡村さんK20,苗村さん完成 004
高音部の15か所ほどは全部だめなので、まずハンマーを熱を加えてはずします。
永野先生、岡村さんK20,苗村さん完成 013
ひもでくくったり、ボンドで接着したり、ネジでとめたり、いろいろ細工がしてあります。
これも修理の類にはいるのでしょうけど、要は音です。この16か所のハンマー修理によって、音はぼこんぼこんの、ピアノとは思えない音に変身しておりました。
今回、たまたま同じカワイのピアノで、ハンマー交換した、中古のハンマーの在庫があったので、まずそれに交換してみます。新品だと一式の交換になって、費用がかかってしまいますので。
永野先生、岡村さんK20,苗村さん完成 007
シャンク棒といって、ハンマーについている棒ですが、少し太さが違うので、調整しています。
永野先生、岡村さんK20,苗村さん完成 008
アメリカ製の木工用のボンド、ピアノ修理に使うボンドですが、接着度抜群。今回はニカワではなく、このボンドを使ってみました。

ピアノの調律

永野先生、岡村さんK20,苗村さん完成 001
昨日はいつもお世話になっているN先生の調律に行って来ました。2台のグランドピアノ、それも2台とも6タイプといって、奥行2メートルのセミコンサートタイプです。迫力満点。
今日は左の木目のほうの調律です。さすがに低音はどっしりしていて調律していても気持ちがいいです。大きいピアノというのは弦もそれだけ長く、無理がないので倍音がきれいに出ます。その分調律がしやすくなります。調律では実際に弾いている音は聞かずに、そのオクターブ5度とか、2オクターブ5度の音とか、つまり倍音を聞いています。2つの違った音を鳴らしてその倍音同士のうなりの数を数えながら合していきます。倍音がきれいに出ているピアノは豊かな表情のある音を出しますし、調律もしやすいわけです。最近は調律に伺った家で、この辺のことをよく聞かれます。丁度目の前にピアノがあるので、ご説明すると皆さん大変興味を持たれ、ピアノにたいする見方が少し変わりましたとおっしゃいます。またいつでも聞いてくださいね。

YUSの修理と白いピアノ

高峰さんYUS、苗村さん消音 001
ヤマハのYUSという人気器種の修理とクリーニング。
定番のフレンジコードの交換。この時代のコード(ひも)はほとんど切れていますね。ここが切れると連打が出来づらくなります。いわば欠陥ですが、あまり堂々と取り上げられず、なかには「私の弾き方が悪い」と思い込んでおられる方も。今ならリコールの対象です。
高峰さんYUS、苗村さん消音 005
アクションをはずすと、古くなったピアノはブライドルテープという赤い部品が割れて取れてしまします。
分解したときに同時に新しく部品交換をするようにしています。手間もそうかかりませんし、経済的でもあります。
このYUS、まだまだ直すところが多いので、出来るだけ早めに手をつけました。
高峰さんYUS、苗村さん消音 006
黒いピアノを白に塗装しなおし、今度は消音を取り付けています。あと少しです。明日依頼主のNさんも経過を見に来られます。ほぼご希望通りになりましたよ。楽しみにお越しください。

マンションのピアノの調律2軒。

壁工事に伴う調律 003
昨日は大津駅の近くの29階建のマンションの調律。壁や天井、床のリフォームに伴ってピアノを移動させ、そのあとの調律を頼まれました。まず1軒目は木目のきれいなピアノで「HORUGEL]
外国製ではなく、小野ピアノというところの製作です。だいぶ年数も経っておりピッチは相当下がっていました。それに修理の要するとことが結構あり、調律のあいだ、あちこち観察するとどうも前にネズミが入った形跡が。その部分だけは直してありました。
部屋のリフォームに伴う調律だけの依頼ですので、本当は修理もしないといけないのですが、ぐっと我慢して調律作業だけを完了。
終わってから奥さんが確認で来られたので、何年も調律をされてなかったような狂いと、高音部の鍵盤がうまく作動しないこと等を説明。どうも最近購入されたみたいで調律も最近したような。業者からまた半年後に調律に来るとのこと、高音部は子供が小さいのですぐ使わない状況なのでその時に調律もする と説明を受けたとおっしゃっていました。
どうもあやしいにおいがぷんぷん。
またお困りの時にはいつでもご相談くださいと言って、次の現場へ。

次は画像を取り忘れていましたが、ヤマハのU3Aというピアノ。これもリフォームに伴うピアノ移動があり、調律を頼まれました。階は違いますが同じマンションです。
直近の調律が平成8年。だいぶ音は狂っていましたが、さきほどのホルーゲルと比べると可愛いもんです。ざざっと気持ちよく調律できました。
東京から越してこられた年配のご夫婦。子供さんが近くに住んでおられるようで、時々ピアノを弾きにこられるとのこと。いいですね。
毎日いろいろなピアノに出会えて本当に楽しいです。
ただ一旦ピアノのメンテを任されたら、真剣に仕事をして欲しいと、1軒目を担当した業者さんには言いたいですね。

ヤマハの白鍵の貼り替え

今日も朝からグランドの調律とピアノ修理の査定、昼からグランドの調律と、多忙な一日でした。
工房に帰ってすぐに白鍵の貼り替えの作業。
白鍵の貼り替え 001
ヤマハのU1Gという器種。レンタルに出す予定ですが、鍵盤のひびがいくつかあり、そこだけを替えると他の鍵盤との色合いが違ったりするので、この際全部交換することに。
前の白鍵を取り去ったところ。
白鍵の貼り替え 002
ジャストサイズの新しい白鍵。薄いので取扱い注意です。
白鍵の貼り替え 003
手作りの白鍵圧着機で接着した白鍵を圧着。
白鍵の貼り替え 004
貼り終えた白鍵。バリとか余分な接着剤が出ていますが、やすりで1本づつきれいに整形していきます。明日は今日以上にハードな日程を組んでいますので、この続きは明後日以降になりそうです。
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