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今日は朝から大雪。京都嵯峨野の音楽ホールの調律の予定が9時になっているので、途中で雪の為に混んだりすると大変なので6時半スタートで行って来ました。ドイツのザイラーピアノ、全体的に鍵盤の動きがもたついています。やはり湿気かな。とりあえず調律をしてアクション・鍵盤関係を見ていきます。
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鍵盤・アクションを取り出したところ。
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鍵盤が乗っている「おさ」だけにし、キーピンの状態を確認。そう悪くはありませんが潤滑剤をつけておきます。鍵盤の方のブッシングクロスという部品が湿気で少し膨らんでいました。専用の工具で調整。
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ハンマーの動きもところどころモタッとしています。連打がしにくい感じ。これもフレンジという関節部分にあるクロスが膨らんで締め付けるため、動きが緩慢になっていました。センターピンを打ち替えて調整。
ただ気づいたのは、このクロスも相当古い感じで、あまり弾力性がありません。次回は気になるところからこのフレンジのクロスも交換修理をしていくつもりです。このあとすぐにリハーサルがあって、昼から本番ということなので、タイムリミットとなりました。1日中でも腰を落ち着けて直したいピアノではあります。
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昼からは京都桂のTさんの調律。グロトリアン・スタインヴェグというドイツのピアノです。
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音はやさしく包み込むような響きです。暖かい感じです。
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低音のハンマーは画像のように相当加工してあります。背の高さが低く、低音の弦を出来るだけ長く取りたいために普通より斜めに張ってあります。そのためそれを叩くハンマーも相当斜め。そうするとハンマーの下の部分が隣に当たってしまうのでハンマーの下側が削ってあるのです。アップライトでは珍しいですがグランドピアノでは時々見かけます。
ピアノが変わるといろいろと工夫がしてあるもんです。勉強になります。