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今日WEBを見て来られたNさん。ヤマハW101のご購入を決めていただきました。展示してある場所から出来たばかりの新工房に運び入れての作業。記念すべき第1号になりました。「ウマ」に乗せて寝かしました。
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ペダルを取り外すために底板をはずしました。ピアノを寝かさないとできない作業です。
ここでの作業はいくつもあって、まずペダルを磨くこと、それに錆びやかび、ほこりを除去すること。滅多にここははずさないので、徹底して掃除もし、錆びたところを磨きます。ペダルの窓も古くなったフェルト・クロスを新しいのに貼替えます。ネジもたくさん使ってありますが、その殆どが錆びています。全部新しいのに交換します。ピアノの下部分は特に湿気にやられています。今しか直すことができません。この際、徹底的に直します。
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こうして見ると響板がよく見えます。いい響板が使ってあります。最近のピアノにはこの響板に合板が使われたりしていますが、底板を外さない限り絶対にわかりません。底板をはずすと木の断面、小口を見ることができます。響板はピアノの心臓部分とも言われます。合板響板のピアノも一応鳴りますので見分けがつきません。ただピアノは何十年と使っていくものです。合板では10年、15年もすると響きがなくなってきます。ピアノ本来の伸びがなくなってきます。原価を切り詰めるとそうなるんですね。
このピアノはしっかりとしたいい響板(スプルース材)が使われています。いい材料が使われていると直していてもいいピアノに仕上げようという意欲がわいてきます。